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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第86章 信長様の誘い


瞬きしたら消えちゃうんじゃないかと、何度も瞬きを試みる。
でも目の前の佐助君は消えることはなかった。


「さ、佐助君!」


この時代、外国に行ってしまったら帰ってこられないと思っていたから、また会えた喜びに胸がいっぱいになった。


蘭丸「佐助殿、おっそーい」


文句を言いながらも蘭丸君が嬉しそうに歩み寄っていった。

佐助君は町人風の装いで、背中に大きな荷物を背負っている。
記憶にあるよりも、顔立ちや体格がすっかり大人の男性になっていた。


佐助「さっき港に着いたんだ。聞き慣れた声がしたから走ってきた」


言われて見れば大きな外国船が港に入っている。


蘭丸「あの船から大分距離があるけど、聞こえたの?」

佐助「もちろん。ズットモコンビの掛け合いは大好物だからね」

蘭丸「あー、その話し方。佐助殿が帰ってきたって感じする」

「ふふ」


佐助君は相変わらず表情筋を動かさずに笑い、幸村に向き直った。


佐助「幸村、ずいぶんおじさんになってるけど、また会えて嬉しいよ」


私と蘭丸君がぷっと吹き出したのと、しかめっ面の幸村が佐助君をどつくのが同時だった。


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