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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第6章 看病四日目 二人の香


「その……申し訳ありません。こんなことをさせてしまって」


脱いだままになっている草履と足袋の泥汚れに目がいき、私が歩いたところにくっきりと草履跡がついている


(あとで綺麗にしなきゃ)


謙信「そんなことはよい。お前が遅いゆえ、どこぞの道で難儀しているのではと佐助と話していたところだ。先ほど眠ってしまったがな」


みると佐助君は布団に横になっている。


「ご心配おかけして申し訳ありませんでした。道が悪くて到着が遅くなってしまいました」

謙信「このような日に無理をせずとも良い。風邪をひかれては困る」


言葉通り困り顔で謙信様は頭をぽんぽんと撫でてくれた。


謙信「……髪も濡れているな」


少し鋭くなった視線が羽織や着物へ移る。


「時折風が吹いたので少し濡れているだけです。
 すぐに乾きますよ」


濡れたところは拭いておけば問題ない。気にかかるのは泥汚れだ。
出来るなら時間が経たないうちに汚れを落としたいけれど、その処置はお城に帰らないとできない

城に帰ったらすぐにやろうと諦め、手渡された布で足を拭いた。
その間に謙信様は草履の汚れをとり、かまどの近くに干してくれた。


「謙信様っ!そんなことまでしてくださらなくても大丈夫ですからっ」

謙信「早く干さなくては帰りまでに乾かんだろう。このくらいなら俺でもやる」

「…ありがとうございます」


これ以上遠慮するのも謙信様を不快にさせてしまうかもしれない。
素直にお礼を伝え、佐助君の傍に寄る。


「おはよう、佐助君。遅くなってごめんね」


枕元には湯呑が置かれ、薬湯を飲んだ形跡があった。


(食後に飲む薬湯を飲んだってことは…)


「もしかして朝食は済ませてしまいましたか?」


何故か寝室に行ってしまった謙信様に声をかける。
夜着らしきものを手に、謙信様が姿を現した。


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