• テキストサイズ

☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第84章 結ぶ


姫「父上様…その、申し訳ございません」


三の姫は少々気まずそうに謝っている。

三成はそれを微笑ましく見ていた。


(噂の真偽はともかく、三の姫様は家康様によく似ていらっしゃいますね)


顔立ちはもちろんのこと、少し物憂げな表情といえば良いのか、一見冷たく見える表情。

少し癖がある柔らかそうな金色の髪と鮮やかに煌めく翡翠の輝き。

三成がいつもの如くにこやかに笑っていたが、三の姫は目が合うとそっと視線を外し、薄紅を施した唇をキュッと噛んでいる。

その表情からは何も伺えない…そういうところも家康に似ている。


家康「なに借りてきた猫みたいになってんの。
 朝は犬みたいにキャンキャンうるさかったくせに」


家康がそういうと姫の頬がさっと朱に染まった。


姫「父上様。それは恥ずかしいので言わないでください」


三の姫の視線は不自然なほどに三成に向くことはない。
三成は家康と話している姫をそっと観察し…疑問に思った。


三成「家康様、三の姫様。少しよろしいですか?」


翡翠色の瞳が4つ、三成へ向けられた。


三成「姫様が私を見かけて家康様に報告したとお聞きしたのですが、その…失礼は承知の上ですが、私はどこかで三の姫様とお会いしたことがあったでしょうか」


いくら女性に無関心な三成といえど、家康の娘ともなれば面識があれば覚えているはず。
しかしそういった記憶は皆無だ。

家康は首を横に振り、三の姫は俯いた。

俯いた際、髪にさしている簪が恥ずかしそうに揺れた。


/ 1735ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp