第6章 看病四日目 二人の香
(一気読み姫様のための、ほっとひと息たいむ)
✿顕如様とひと息✿
お前は私との暮らしに退屈していないだろうか
門徒達に囲まれ、日夜仏と向き合う質素で厳しい生活だ
時折お前が『すまほ』で色恋の話を読んでいるのは知っている
うっとりしたようにため息をもらしてるのを見たこともある
どのような話を読んでいるのか知らぬが、私との暮らしと物語の内容を比べ……がっかりしていないだろうか?
どこぞの軽い男と違い、俺は口も上手くなければ女子を喜ばせる術も持ち合わせていない
だが舞を愛しく思う気持ちは誰よりもある
今宵は酒でも共に飲もう
月見をしながら俺の想いを聞いて欲しい
胸の内で感謝していても、時には言葉にしなければ伝わらないものだからな
鬼を人に戻してくれた唯一の女子だ
これからもずっと大切に、愛し続けよう
舞、愛してる