第81章 不思議な夢
謙信「泣き止め、結鈴。俺が居るだろう?」
結鈴「だってパパはみつひでさんじゃないもん!
結鈴は、みつひでさんがいいの!」
謙信「っ」
ショックを受けて言葉を詰まらせている姿が可愛らしい。謙信様に隠れてくすっと笑ってしまった。
信玄「ふっ、謙信も人らしくなったな」
「ふふ、そうですね。出会った頃と別人のようです」
信玄「姫のおかげだろう…?ほら光秀の贈り物を渡しておいで」
「はい。あ、そうだ!信玄様、とっても嬉しい報せがあるんです。でも私から言うのはもったいない気がするので、もう少しお待ちくださいね」
信玄「?……わかった。楽しみにしてるよ」
大人の余裕を滲ませ、信玄様がふんわり笑った。
再会した幸村は信玄様よりも年上に見えたけど、大人の落ち着きは信玄様の方が上みたいだ。