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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第81章 不思議な夢


袂から佐助君から貰ったピンクのかんしゃく玉を取り出し、高く持ち上げた。


「お祝い……だよね?佐助君、幸村が生きているんだものっ!」

幸村「おい、それってまさか佐助のっ!」

謙信「っ」


謙信様は私の背に居る瑞穂の耳を塞いだ。

蘭丸君と幸村が飛びのくのと、私がかんしゃく玉を地面に叩きつけるのが同時だった。


バーーーーン!バンバンバン!


次々に激しい炸裂音がして、緑や赤っぽい火花が眩しいくらいに散り、最後にヒューーーーンと空高く上がって、ピンクの花火がパーンと弾けた。

花火が終わると小さなパラシュートがヒラヒラ落ちてきて、『祝・おめでとう』という布がくっついている。

ユーモラスな演出が佐助君らしくて笑えた。

瑞穂が音に驚きうえーんと泣きだしてしまったけど、あやしている時間はない。


「幸村っ、ちょっとごめん。この槍、貸して!」

幸村「おい!」


強引に槍を奪って、船に向かって大きく振った。


(この真っ赤な槍なら見えるかもしれない。
 佐助君、気づいて!)


お祝いのかんしゃく玉と赤い槍。見えたなら必ず気づいてくれるはず。


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