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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第81章 不思議な夢


『幸村は赤い十文字槍で戦うんだけど、一振りで敵がバッタバタ倒れるんだ。
 一騎当千とはまさに幸村のことだ』


ちょっとおじさんになってるけど、童顔も意志の強い真っ直ぐな眼差しも間違いなく幸村だ。


「幸村!?」


驚きの声を上げると、男の人は謙信様の刀を受け止めながら視線を投げてよこした。


??「お前………まさか舞なのか?」

謙信「ほう?俺の刀を受けながら余所見(よそみ)をするとは良い度胸だな…幸村」

幸村「くっ、忘れてたけど無茶苦茶だなっ!
 つーか、なんで謙信様は若いまんまなんですかっ!」


二人は同時に武器を下ろした。

幸村は頭から出血していて全身びしょ濡れだ。


謙信「お前の方こそ何故そのように歳をくっているのだ?信玄より爺になっているのではないか?」

幸村「爺!?俺はまだそんな齢じゃねえ!
 戦の最中にわーむほーるってやつに巻き込まれたんだ。っていうか信玄様は!?
 謙信様が居るなら信玄様も居るんだろう!?」

「信玄様は留守番。今は見送りに、って、あの船!
 佐助君が乗ってるの!!」


船は陸から大分離れて、三人の表情はもう見えないけど、ここで乱闘騒ぎをしているせいでこっちを見ているのがわかった。


幸村「はっ!?あの船どこに行くんだ?」

「外国!すんごい遠い所っ!佐助君はもう帰ってこないかもしれない」


(なんとか知らせたい!幸村が生きてるって)


佐助君が幸村の最期が書かれたページを何度も見返して…肩を落としていたのを知ってるから。

別れ際まで行く末を気にするくらい…ズットモを想っていたんだから。


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