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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第81章 不思議な夢


信長「待て、何故俺はそのように心配されなければならんのだ。
 うるさく心配するのは猿だけで充分だ」


信長は顔をしかめ、手の平をひらひらさせて煩(うるさ)がる。


「ふふ、信長様の存在は唯一無二の存在ですもの。
 その身を大事にしてほしいと思ってしまうんです」


秀吉はうんうんと頷いた。


(流石舞だな。俺と同意見だ)


信長「いよいよ秀吉に似てきた。貴様、秀吉に憑りつかれておらんか?」

「正気ですっ!」


表情は見えないが、舞が頬を膨らませて…いる気がした。


「寂しいですが、この地で信長様達のご無事をお祈りしていますね」

信長「ああ、貴様の祈りはとんでもない力を秘めているとわかったからな。
 稀代の縁起物を拾ったものだ」


(稀代の…縁起物?)


舞を褒めやかす信長の言葉に首を傾げる。
安土に居た頃は至って普通の、女だった。


(『祈りに力がある』など微塵も感じなかったが…)


「そうだ、これを差し上げるのを忘れていました」


舞は小さな人形を差し出した。
手の平にすっぽり収まる大きさの人形で、信長は受け取ると眉間に皺を寄せた。


(あの人形はなんだ?)


秀吉が居る場所からは緑と赤が少し見えるだけだ。


信長「なんのつもりだ」

光秀「そっくりだ、くくく」


光秀に渡った人形が、てっぺんに付けられた紐に吊られてユラユラと揺れた。


(あれは……もしや)


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