第81章 不思議な夢
――――
場面が変わった。
先程の宴会の後のようだ。
部屋には信長と光秀、舞の三人だ。
舞は二人を心配しているようで、あれこれ持ち物を確認した。
秀吉はその姿を微笑ましく見る。
「それと光秀さんは……」
光秀がついに吹き出した。
光秀「その心配の仕方、ふっ、舞かと思っていたが、変装した秀吉か?」
信長も肩を揺らしている。
舞は『そんなわけないでしょう!?』と文句を言っている。
光秀「冗談だ。相変わらず愉快な女だな」
「心配なんだから仕方ないじゃないですか。この時代、外国に行くなんて命がいくつあっても足りません。
秀吉さんが居ない代わりに私が心配してあげてるんです!!」
信長「ほぅ、してあげてる、とはずいぶん貴様も偉くなったものだ」
舞が途端にあたふたしている。
(まんまと信長様と光秀に遊ばれてるな)
助けてやりたいがそうもいかない。
秀吉は輪に加われない寂しさを覚えた。
(俺もお傍に行きたい)
自分だけが年を取り、豪華絢爛な寝室で一人寂しく寝ている。
ふと現実を思い出し秀吉は歯がゆくてならなかった。
夢だとわかっているが、今すぐ三人の所に行きたかった。