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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第81章 不思議な夢


――――

目の前で宴会が開かれている。
あの日誌を見て想像した者達が一同に介している。


(なんだこの集まりは?)


昔であったなら敵同士の人間が、酒を酌み交わしている。
混乱する頭で秀吉はそれを見守った。

信長、光秀、蘭丸が座り、その向かいに信玄、佐助が座っている。座布団が二つ空いているのは謙信と舞の席だろう。


信玄「で?信長、お前たちはどこまで行くつもりだ?」


優雅に徳利を持ち上げ、信玄が信長に酌をする。
あり得ない風景に秀吉は目を疑う。


信長「佐助達が『よーろっぱ』と呼んでいる国々へ行き、各国を歩いて回る。
 最終的にどこに留まるかは決めておらん」

信玄「目的地を決めない旅か。面白そうだな」


信長が徳利を持ち上げ、信玄が持っていた盃に酒を注ぐ。


信長「一緒に来るか?貴様は500年後の世で南蛮の言葉を学び、剣術まで学んだのだろう。
 かの地に足を踏み入れたいと思わぬのか?」


(……500年後?聞き間違いだろうか)


おかしな夢だ。突拍子もない話がポンポンと飛び出てくる。


信玄「いいや、残念だが俺には心配でたまらない駄々っ子が居るんでね。そいつを残しては行けない」

謙信「……駄々っ子とは誰の事だ」


戸が開き、謙信と舞が姿を見せた。


光秀「寝たか?」

「ええ、やっと。結鈴が寂しがってなかなか寝てくれなくて…」

蘭丸「結鈴ちゃんは光秀さんが大好きだからね。
 外国に行っちゃうのが寂しいんだね」

光秀「……」


光秀は素っ気ない態度で酒を口にもっていく。


「帰ってくるの?また会える?ってそればっかりで…」


舞は寝かしつけに疲れたのか軽く息を吐いた。


信長「先は何も決まっておらぬからな、その問いに答えられる者はおらん」


(外国?海を渡ろうとなさっているのか)


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