第81章 不思議な夢
女が一人、縫物をしていた。
俯き加減なので顔はよく見えないが、せっせと針を進める姿を
どこかで見たような気がした
(誰だ?俺は…こいつとどこかで会ったことがある)
すぐに思い出せない。
最近の記憶ではないと記憶を遡っていく。
(胸が騒ぐ…こいつは誰だ)
もどかしい思いで記憶を探っていると、ひと際眩しく輝く記憶をみつけた。
『秀吉さん、私、服を…着物を作るのが好きなの』
心地よい女の声を思い出し、秀吉は目を見開いた。
(この女はもしや…)
近づき、顔を見たいのに体は浮いたままだ。
どうやらこの体は秀吉の意思で自由に動けないようだ。
女の顔を見られないうちに、目の前の風景がガラリと変わった。