第81章 不思議な夢
秀吉「いや、なんでもない。それで三成はどうした?」
家臣「石田様は西国より急ぎの使いが参り、応対しております。
この日誌をとても気にしておられまして、明日にでも殿にお目通り願いたいと言っておりました」
秀吉「取り次がなくても好きな時に来いと三成に伝えろ。
遅くまでご苦労だった、お前も休め」
家臣は一礼して去り、広い寝所に秀吉だけが残った。
物音一つしないのは、死期を悟った周りの者達が気を使い、息をひそめているからだ。
気づまりしそうな静けさの中、秀吉はため息をついて再度日誌を開いた。
内容は蝦夷地に向かった船が遭難した日から始まり、日々のことをつらつらと書き綴ってあった。