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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第79章 真田幸村の最期


その頃幸村は顔を洗い、目を清め、頭から水を被っていた。
水を被る度に赤く汚れた水が川へと流れ込んでいった。


幸村「はぁ」


水鳥が水しぶきの音に驚き飛び去って行く。青々と茂った木々が風に吹かれ騒めいた。

すぐ傍が戦場であることを忘れさせるような風景だ。


幸村「これからどうすっかな…」


頭から水をかぶったおかげで、冷静さを取り戻した。

幸村が率いてきた兵はほとんど壊滅し、敗走した兵もどうなったかわからない。
力不足ではなかった。幸村をはじめ兵の一人一人が善戦した。
……ただ圧倒的な数で押し切られてしまった。


幸村「くそっ」


額に手をあてて悔やんでいると、神社の方から人の声がした。


幸村「…?」


水から上がり、神社へ戻ろうと歩き始めた時…

…ぽつっと雨があたった。


ぽつ…………ぽつ………ぽつ…ザーーー


瞬く間に土砂降りになり、幸村は頭上を見上げた。


幸村「さっきまで晴れていたのに、なんだ…?」


頭上は厚い雲に覆われ、雷の音が聞こえ始めた。

雲はこの周辺だけを覆っている。


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