第79章 真田幸村の最期
古い記憶が蘇り、幸村は『まさか』と息を呑んだ。
幸村「突然天気が変わって、嵐がくる。雷が落ちて…って、うわっ!!?」
昔、親友だった男が口にしていた『ある現象』の前触れを呟いていると、まさにその通りになり、雷がすぐ傍に落ちた。
幸村は茫然とそれを見ていると、突然視界が歪み、辺りの景色が水墨画のように色を失くし…消えた。
身体が浮遊感に包まれる中、幸村はしっかりと槍を握って絶叫した。
幸村「くそっ、俺はここを離れるわけにいかないってのに!
佐助ぇぇ、もう開かないって、言ったじゃねぇか!!」
数秒後、嘘のように雲は消え去り、幸村の姿も消えていた。
神社の前で首をはねられた男こそが真田幸村とされ、本物の幸村が消えたことに気付いた者は
………誰も居なかった。