第77章 聖なる夜は騒がしく
龍輝「あれー?ここに落ちてるの、何?」
視界の隅で龍輝が何か丸い物を拾って手のひらで転がした。
そのうちボール遊びのように左手と右手を往復させる。
龍輝「佐助君の忍者グッズだったりしてね♪」
「ん?」
あ、っと思った時には遅かった。
龍輝がポンと外に向けて投げた数秒後、外から激しい爆音がした。
ガタガタ!!
酔っていても流石戦国武将。
瞬時に机の下に身を隠した。
私はというと謙信様の腕にさらわれてすっぽりと包まれていた。
ババッバン!!!
爆竹を何倍にも大きくした音が響き、やがて静かになった。
謙信「佐助っ!持ち物の管理をしろ!」
佐助「すみません、皆さん。
うっかりかんしゃく玉を落としていたようです」
蘭丸「え~、忍び失格だよ、佐助殿。
結鈴ちゃんと龍輝君は大丈夫…だよね?」
龍輝・結鈴「うん!」
蘭丸君が二人を守ってくれたみたいだ。
光秀「………ところで上杉殿、可愛い妻を離してやらねば茹だっているぞ」
謙信「なっ?!大丈夫か、舞」
「あ、ありがとうございます。謙信様」
謙信様は真剣に守るために抱きしめてくれたんだろうけど…、酔っていた私は恐怖よりも温もりの心地良さや肌の感触に思考が蕩けてしまった。
顔が熱くて仕方がない。
信長「夫婦になり時が経っても、その反応か」
信長様が口元を抑えて、くつくつと笑っている。
蘭丸「舞様の目が『はーと』になってる…」
信玄「酒に酔うと舞はこんなに可愛くなるのか?それとも謙信に酔ったのか?」
信長「どれ、よく見せてみろ」
謙信「っ、舞の顔を見た者は斬るっ」