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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第77章 聖なる夜は騒がしく


謙信様の温もりが恋しくて机の下でこっそり膝を寄せると、謙信様もさりげなく膝をくっつけてくれた。


『ふっ、舞なら…どんな声だろうが可愛らしいぞ?』


さっき謙信様が言ってくれた言葉を思い出して、顔がにやける。


「ふふ…」

謙信「突然一人で笑い出すな。酔ったのか?」


謙信様と信玄様に顔を覗き込まれた。


「酔ってないです」

信玄「……酔ってるな。顔が赤いぞ、姫」


熱を持った頬を信玄様がひと撫でした。
大きな手から伝わる温もりにホッとする。


(なんだろう、信玄様は声だけじゃなく体温まで落ち着いた感じがする)


謙信「信玄、どさくさに紛れて舞に触るな」


謙信様が信玄様の手をうるさげに払っている。

ぼうっとした頭でそれを見ながら力の抜けた笑みを向けた。


「信玄様の手、大きくて心地良いです」

謙信「っ!?」

信玄「お?脈ありだな。いつでも貸してやるぞ、姫」

謙信「信玄、貴様の手を切断してやる」

「えっ!!?」


切断と聞いて、我に返る。
自分の発言が発端だと気づき慌てて止めに入った。


「えっと、えっと……」


バチバチと火花を散らす二人を交互に見て、とりあえず謙信様の手を取った。

何を言うか決めていないうちに、謙信様に『なんだ』と問われる。


「ごめんなさい!謙信様の手が一番安心します。だから信玄様と喧嘩しないでください…ね?」


酔っていたから自覚していなかったけど、後から佐助君から聞いた話だと上目遣いでお願いする様は、謙信様にとってはものすごく効果があったらしい。


謙信「っ!信玄、命拾いしたな」

信玄「はは、久しぶりに姫の『お願い』を見たな。
 こんな可愛い顔で言われたらなぁ、謙信?まあ、飲め」

謙信「信玄……、ワインが残っている湯呑にブランデーを注ぐな!」

信長「騒々しい。もっと静かに飲めんのか」

結鈴「おしゃく、おしゃく~~」

光秀「すっかり信長様に懐いてしまったな?」

結鈴「ふふー。信長様も大好きだけど、光秀さんはもっと大好き」

光秀「あと10年たったら考えてやる」

結鈴「10年〜?」


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