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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第77章 聖なる夜は騒がしく


去年のクリスマスリースの瑞々しい緑の香りが記憶に残っている。

スパイスの効いた甘いワインを一口飲んだ。
この味も、香りもきっと今年のクリスマスの思い出としてずっと残るだろう。

謙信様と過ごす4度目のクリスマスは、ロマンチックで賑やかで楽しい。


最初のクリスマスは……謙信様は気づいていないかもしれない。
初めて謙信様とクリスマスを過ごしたのは、あの長屋で…餃子を作った日だ。


(謙信様との思い出が、どんどん増えてる。嬉しい)


幸せに満たされて、満面の笑みを謙信様に向けた。


「私は謙信様と一緒に居られれば、それだけで良いんです。
 これからも一緒に過ごしましょうね」


お酒を飲んでも赤くならない頬が、ほんのりと染まった。


謙信「もちろんだ」


ちゅ


謙信様がごく自然な動作で頬に口づけしてきた。

驚いて見つめ返すと、謙信様も満面の笑みを浮かべている。


「い、い、いま……」


向かいに座っている信玄様がワインを飲む手を止めて、目を見開いている。

はっとして見れば、信長様と目が合った。


(み、皆に見られ……)


龍輝「あーーーーーーーーー!」

結鈴「パパがママにチューした!!」


甲高い声に罪悪感を刺激された。


「な、なんのことっ!?」

佐助「見るつもりはなかったのに、見てしまった…」

蘭丸「え、見てなかったけど、本当?」


信長様がくくっと笑いながらお酒をあおった。


光秀「おや、それは惜しいことをしたな。
 もう一度して見せてくれるか?」


光秀さんの言葉を推すように、きゅーすけがニャオンと鳴いた。


「し、しませんっっっっ!!
 幻でも見たんじゃないですか?」


苦しい言い訳をして、湯呑に入っていたワインをこくこくと飲んだ。

温かいワインが喉を通っていくと、身体がかぁと熱くなった。


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