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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第77章 聖なる夜は騒がしく



「信長様、お酌をしにきました」


徳利を手に信長様達のテーブルに行くと、信長様がにやりと笑った。
唇がお酒で少し濡れている。


信長「また軍神が拗ねるぞ?」

「え」


慌てて振り返ると謙信様と目がぱちっと合った。

『ちょっとだけです』と口をパクパクさせると仕方なさそうに信玄様に向き直った。


光秀「嫉妬深い夫を持つと大変だな?」

「ふふ、そうでもないですよ」


信長様と光秀さんの順にお酒を注ぐ。


(ん?)


光秀さんの懐が膨らんでいて、中に何か入っているみたいだ。
視線に気が付いた光秀さんが盃を置いて、少し前かがみになり着物の袷を開いた。

色っぽい仕草に思わずドキッとした。
でも着物の中がチラリと見えて、そこに居たきゅーすけと目があった。


「やだ、きゅーすけも来ていたの?いつもなら寝室で寝ている頃なのに」


寒がりのきゅーすけは夕飯を貰うと、そのまま子供部屋の布団に潜り込んで寝ていることが多い。

にゃあと返事をしたきゅうすけは小さくなったまま動かない。
光秀さんの懐から出る気はさらさら無いみたいだ。


光秀「今夜はぱーてぃーだから、きゅーすけも連れてきて欲しいと双子に頼まれたぞ?
 クラッカーの音に驚いて少し引っかかれたがな」

「まあ、そんなことお願いしてすみません。怪我は大丈夫ですか?」


きゅーすけを取り出して傷を見せてもらおうとすると、冴え冴えとした香りが鼻を掠めた。





その時、耳元で、





地を這うような低い声がした。



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