第77章 聖なる夜は騒がしく
(もこもこうさぎを作った人がこれを作ったの…?)
「謙信様ってやっぱり器用……?」
謙信「何故語尾に『?』がついている」
謙信様が不満そうに顔をしかめている。
「もこもこうさぎが…」
信玄「ああ、あれは酷い。うさぎと言われてもわからなかった。姫だってわからなかっただろう?」
「ふふ、尻尾が丸かったのでうさぎだってわかりましたよ」
信玄「あれがうさぎだってわかったのか。愛の力だな、謙信?」
謙信「うさぎの話はもう良い。早々に乾杯だ」
素っ気なく視線を逸らして謙信様は子供達の方へ行ってしまった。
横顔がちょっと嬉しそうだったような気がして、私と信玄様は目を合わせて笑った。
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――
佐助「じゃあ、皆さん乾杯しましょう。メリークリスマス!」
龍輝・結鈴「「メリークリスマス!!」」
信玄「メリークリスマス」
私と謙信様以外のメンバーがさっとコップを置き、隠し持っていたらしい『何か』を天井に向けた。
「っ!?ちょっと、その手に持ってるの何ですかっ!?わっ!」
謙信「っ」
謙信様が私の腰を引き寄せた。
信玄様達が10センチくらいの小さな筒に繋がっている紐を引っ張ると……
パーーン!
パーン!
パーーン!
パーン!
小さい炸裂音が響き、色とりどりの紙吹雪が舞った。
「ク、クラッカー?」
久しぶりに嗅いだ火薬の匂いと軽い破裂音。
足元に落ちた紙を拾うと提灯の絵のように植物の汁で染色されていた。
佐助「これは謙信様にサプライズで作ったクラッカーだ。パーティーにはマストかと思って」
「そ、そっか。ちょっと、いや、すごくビックリした…」
かまくらが崩れるんじゃないかと本気で焦った。