第77章 聖なる夜は騒がしく
謙信「お前をイメージして作り始めたが、途中でおかしくなってしまった。あとで作り直す」
「謙信様の中で、私はこんなにモコモコなんですね………」
微妙にショックを受けていると謙信様は静かに慌てているようだった。
謙信「まさか。おかしくなったと言っただろう?
舞はこんなに鏡餅のような体ではない」
「鏡餅………」
なんだかお腹のお肉が気になってしまった。
「しばらく謙信様とエッチするのやめておこうかな…」
謙信「っ、何故だ」
「えっと、色々と気になってしまったので」
謙信「どこも気にしなくてもいい。俺は今のお前が好きだ。どこを気にしているのかわからないが、俺は気になるところはまったくない」
早口でまくし立てる表情は真剣だ。
「そうですか…?」
きっと謙信様は本心で言ってくれたけど一度気になってしまうと気になる。
(ダイエットしようかな…)
龍輝「も―――、ママ達遅いから迎えに来たよ!」
結鈴「早く行こう!」
二人が駆け寄ってきて、大きなかまくらの方に引っ張られた。
「わかった。ママね、すぐ転びそうになるの。ゆっくり行こうね。
いつから作ってくれたの?」
龍輝「えーとね、木の実や葉っぱ秋のうちに集めて、佐助君の家に預かって貰ってて」
結鈴「提灯の絵は、赤いお花が咲いていた夏に描いたよ」
「そんなに前から用意してくれたのっ!?」
龍輝・結鈴「「うん!パパがやろうって言ったの」」
「え」
(意外過ぎる……)
謙信様がクリスマスにそんなに力を注いでくれるなんて。
何かあったかな?と考えてみても現代で家族で出かけた思い出と、昨年のささやかなクリスマスしかない。