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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第5章 看病三日目 護身術と誓約


「初対面の時はね、怖いけど綺麗な人だなって感じで…。
 蜂を退治してくれたお礼に、一緒にお酒を飲んだ時があったの。
 その時に謙信様に凄く惹かれちゃって…気づいたら凄く好きになってたんだ」


何にはばかることなく正直な思いを口にした途端、胸がスッと軽くなった。
ひた隠しにしていた気持ちが、気づかないうちに重くのしかかっていたみたいだ。

佐助君は何かを思い出したように目をパチパチさせた。


佐助「謙信様が安土の酒を越後まで運ばせた時があったんだ。
 君に教えてもらったと言っていたから、一緒に飲んだお酒じゃないかな」

「え?越後にお持ち帰りしてくれるくらい、気に入ってくださったんだ」


(嬉しいな)


佐助「うん。でも春日山で飲んだら『安土で飲んだ時の方が美味しかった』と首を傾げていたよ」

「ふーん、そうなんだ。なんでだろうね?」


(輸送方法のせいかな?)


佐助「さあ、なんでだろうね?
 舞さんはお酒を美味しくさせる力があるのかもしれないね」


意味ありげに言われて面食らう。


「まさか!そんな力ないよ。佐助君ったら、変な冗談言わないで」

佐助「同じお酒を飲んで味が変わるとしたらどんな時だろう……ね…」


そう言うと佐助君はウトウトと眠り始めた。
私はずり落ちていた布団を掛けなおしてから立ちあがった。


「お酒の味が変わる時?
 んー、体調が悪いとビールは苦く感じるよね。
 謙信様は越後に帰られた後、体調が悪かったってこと?…???」


佐助君の含みのある言い方が引っ掛かったけど、よくわからず首を傾げるばかりだった。


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