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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第76章 姫の好奇心(R-18)


(謙信目線)

舞は規則正しい寝息をたてはじめた。

しばし観察しても呼吸は安定している。
おかしな発汗はおさまり、上気していた頬も元に戻りつつあった。


謙信「手の届くところに居るというのに、喪うかと思ったぞ」


やはり俺はそういう宿命を背負っているのかと、愛さなければ良かったのかと一瞬悔いた。

だが『そんなことはない』と直ぐに思い直したのには自分でも驚くべきことだった。

『くだらないことを考えている暇があったら、治療に動け』という気持ちが強かった。

腕にとじ込めている温もりが愛しくて、少しだけ力を込めた。


謙信「昔の俺ではない。舞が変えてくれたのだな」


毎日顔を合わせているのに、舞は『大好き』という気持ちを溢れんばかりに表現し、俺に手渡してくれる。


『謙信様のお傍に居られるだけで幸せ』


そう言って、毎日毎日愛情をくれる。
浴場で過去を語った俺に、今以上に愛すると言ってくれた。

惜しげもない愛情が俺を満たし、前を向かせてくれる。
眩しくて暖かくて、仄暗い過去の影さえ薄らぐ。


謙信「よく眠れ。少し一人にするが寂しがるなよ?」


名残惜しいが、やることがある。


俺は褥からそっと抜け出し、部屋を出た。


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