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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第76章 姫の好奇心(R-18)



だって許してくれないって…
嫌われたらどうしようって…


口から出そうになる言葉はどれも口にする資格はない。
泣いて、それを口にしたら謙信様はきっと…許すしかなくなる。
それが卑怯な気がして許せない。

沈黙が続いても、私からは何も言えなかった。
何を言っても言い訳だし、何をいっても新たに涙が出てきそうだから。


謙信「……泣かせるつもりはなかった」


身をかがめ、涙の跡を拭ってくれる手つきは優しかった。


「ごめんなさい……どうしたら、許してくれますか?」


謝っている傍で涙がこぼれてしまい、情けなくなった。


謙信「……灸をすえられたようだな。ならばもう何もする必要はない。
 二度と軽はずみな真似はするな」

「は、い」


きゅ、と目を瞑るとまた大粒の涙がこぼれた。


謙信「わかったなら泣くな。もう怒っていない」

「本当?泣いているから許してくれたんじゃ…」


そう言っている間にもひくっとしゃくりあげてしまった。


謙信「…中(あた)らずといえども遠からずだな。
 俺に呆れられたと傷ついて泣いたのだろう?
 裏を返せば俺が好きでたまらないということだ」


(えっと…)


どういう解釈でそうなったんだろう。



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