第76章 姫の好奇心(R-18)
謙信「お前の身体にいかがわしい薬が溶けた状態で、俺達が胎内でひとつになったらどうする?どうなるかわからないだろう?」
「えっ……」
切実に訴えられて、気づいた。
得体の知れない薬の危うさに。
二人の時間が駄目になってしまったなんていう問題じゃなかった。
(謙信様と私が望む、新しい宝物が……)
「は、吐きます。でも自分でやりますので、やり方を教えてください」
はっきりと言い切った私に、謙信様は安堵した表情をした。
でもすぐに厳しい顔に戻り、わかりやすく指で吐く方法を教えてくれた。
厠に入る直前に謙信様が、
謙信「もう一人分の食事を用意してやる。
心配せず吐いてこい」
律義にもさっきの言い訳を覚えてくれていて、変なエールを送られた。
「はい……」
渋々、でもやらなくてはいけないと気合をいれて厠に入った。