第76章 姫の好奇心(R-18)
(どうしよう、どうしよう?
謙信様に小鉢の料理を食べたって言った方がいい?)
絶対怒られる。
謙信「舞、しっかりしろ」
頬を軽く叩かれて目を開けると、心配顔の謙信様が居た。
目が潤んで輪郭がぼやけている。
謙信「どこか苦しいのか?」
青ざめた表情で凄く心配している。
(駄目だ、隠し切れない。このまま心配させてしまうくらいなら正直に言おう)
「ご、めんなさい」
謙信「何に対して謝っている?」
「小鉢の……」
謙信「っ!」
察した謙信様が勢いよく振り返った。
瓜の欠けが増えているのを確認して、すぐに私を睨んだ。
謙信「馬鹿者。酒を飲み、耐性のない身体で口にしたら少量でも効果は出る」
「は、まさかこんなに、効くと……お、もわな、くて…はぁ」
はあはあと荒い息を繰り返す。
心臓が壊れたみたい速く動いて、酸素が足りない。
「謙信様…………苦しいっ」
謙信「っ」
助けてと伸ばした手を握り返された。
安心するはずの行為にも『あぁ…』と甘い吐息が漏れた。
謙信「手っ取り早く水を飲んで身体の中の薬を薄める。いいな?」
「は、い」
身体を起こされ水を何杯も飲まされた。
謙信「吐くまで飲ませれば薬を外に出せる」
「う…それは嫌です」
謙信「喉に指を入れ、吐かせてやるか?」
「もっと嫌です!!!!!」
泣きながら水を口にした。
安易な気持ちで媚薬なんか口にしなければ良かった。
水が喉をするっと通るだけでぞくっとした快楽が生まれる。