第76章 姫の好奇心(R-18)
「すみません。少し布団に横になりますね」
謙信「ああ」
手拭で汗を拭いてから布団に横になると、謙信様が掛布団をかけてくれた。
謙信「すぐ傍にいる。安心して眠れ」
「はい」
これで大丈夫。寝れば治る。
そう思って目を閉じた。
――――
――
(苦しくて眠れない…)
目を瞑ってしばらくして…体の熱が上がり続けて堪らなくなった。
寝間着代わりの襦袢が汗を吸って身体に張り付き、心臓がドキンドキンと強く脈打って飛び出てきそうだ。
「う…ん、暑い」
おでこに浮かんだ汗が流れ、呼吸が苦しくなった。
謙信「大丈夫か、舞」
発熱の確認のために触れられた首筋に電気が走った。
「ん!!」
あられもない嬌声をあげそうになって、こらえた。
無意識に声を抑える癖がなければ聞かれてしまっただろう。
(待って、なんで?なんでこうなってるの?)
強いお酒だと気が付いて止めて、それ以降はお酒を飲んでいない。
それなのに症状は酷くなっている。
(原因はお酒じゃない?だったら、もしかして……)
汗を拭く手ぬぐいの感触に、度々声が出そうになる。
なんでもない感触のはずなのに過度な快感が襲ってくる。
こらえていないと変な声を出してしまいそう。
お酒のせいじゃないと気づいて、思い当たることと言えばひとつしかない。