• テキストサイズ

☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第75章 異常(R-18)


謙信「それも全く聞かない話ではない。
 血の繋がった者同士の間に出来た子は、身体や心が弱い者が多い。避けられる行為ではあるが…」


(やっぱり、ない話じゃないんだ…)


現代の感覚で言えば禁忌なのに。
ショックを受けていると、謙信様は表情を曇らせ視線を落とした。

 
謙信「時に上杉家も血が薄れるのを恐れ、血が近いもの同士で婚姻を結ぶこともあったと聞く」

「え……?」


上杉家、というなら目の前にいる謙信様だって…。


謙信「俺の父と母は当てはまらない。何代か遡ると、血を濃くする行いがされたと記録にあった。
 俺のこの容姿は遺伝子の異常……なのだろう?
 500年後の世で、オッドアイについて記載された本を読んだ」


一瞬だけど、悲しげな光が色違いの瞳を駆けた。


謙信「俺の容姿は両親のいずれにも似ていない。
 南蛮人のような髪色をし、肌も白かった。日ノ本では誰もが持ちえない二色の目。
 幼い頃より気性が激しく手が付けられず、教えてもいないのに戦の才に目覚めた俺を、母上は忌み嫌い、父上もあまり傍に置きたがらなかった」

「謙信様………」


謙信様が家族の話をするのを、初めて聞いた。
謙信様を象る全てが愛おしいと思う私にしてみれば、衝撃的な内容だった。


(小さい頃はお寺で暮らしていたと聞いたから、家族と何かあったんだろうとは思っていたけど、まさかそんな事情だったなんて…)


浴場の方から、違うカップルが睦み合う声が聞こえてきたけど、それが耳に入ってこないくらいショックだった。


/ 1735ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp