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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第4章 看病二日目 効果のない線引


謙信「いや、お前と同じ言い方をすれば特に意味はない」


佐助が言った通りだ。俺はこの女を苛めるのが楽しいのかもしれない。


「どーせ、私は女らしくないです!」

謙信「男勝りとも思えないが?」


(何を言っているのだ。お前を象る全てが……)


ふと浮かんだ言葉を急ぎ打ち消し、考えぬようにする。


「それって励ましにもなりません!
 いいんです、なんでも自分でやろうとするから可愛げがないって言われますし」


ふいっと顔を背けられ、唇が少し尖っているのが見えた。


(やれやれ、拗ねてしまったか)


さてどうしてやろうか。慰めるか、弄ぶか…。
しかし誰が『可愛げがない』などとこの女に言ったのだろう。

何故かそっちの方に気をとられた。


謙信「佐助がそのままのお前を好いているのならそれで良いではないか?
 それとも佐助に『可愛げがない』と言われたか?
 それならあいつの目が覚めるように一太刀浴びせても良いが…」

「えーと、お気持ちは嬉しいのですが佐助君はそんなこと言っていませんし、切りかかるのだけはよしてくださいね?」


慌てて否定したところを見ると、佐助に言われたわけではないようだ。

何やら嬉しそうな顔をしていたが、突然花が萎れるようになった。


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