第75章 異常(R-18)
ここは宿の共同浴場だ。
続けざまに2回抱かれた私は、快感のあまりまた潮を吹いてしまって…
お風呂に入りたいと言ったら謙信様が首を横に振った。
ラブホのように部屋にひとつお風呂がついているわけじゃなく、大浴場があるだけだという。
謙信「おそらくこの宿の風呂は混浴だ。
お前の肌を誰かに晒すなどできない」
それにもうひとつ許してくれない理由があった。
謙信「この時代、民衆の性は500年後より開放的だ。
場所さえあればどこでも身体を繋げあう。浴場に行けば、そこで他の男女が交わっている可能性がある。
それでも行くのか?」
「それはちょっと………」
他人がエッチしている姿は、あまり見たくない。
想像しただけで顔が赤くなってしまった。
汚れた身体が不快でソワソワしていると、謙信様は宿の人になんとかならないかと交渉してくれた。
お忍びで来る客のために個室のお風呂があると言われ、喜んで入りにきたところ……
壁一枚の仕切りはあるものの、天井は大浴場と繋がっている造りだった。
謙信様が宿の人に布団の取り換えや食事を頼んでいる間、私は身体を洗ってお湯に入っていたのだけど……
隣の大浴場からもろに聞こえる『あの声』。
リラックスするはずの浴槽の中で、私は小さく身体を丸める羽目になった。