第74章 ひとつになりたい(R-18)
(春の日差しのように温かなお前と溶け合えたなら……
どれほど心地良いだろうな?)
律動を早め、口づけし、薄茶の瞳と目が合えば鼓動が早くなる。
上気した頬、熱を宿した眼差し、誘うように薄く開いた唇。
明るい場所で交わったのは数度だけだ。
久しぶりに見るなまめかしい肢体に喉がごくりとなった。
「ん、んっ、んん!!!」
舞が無意識に声を抑え、それを強いてきた己に不甲斐なさを感じた。
朝から晩まで働き通しにさせ、夜の営みの時でさえ声を出さないよう不自由な思いをさせた。
何一つ不自由ない生活を送らせたかったのに、
何一つ自由にならない生活をさせている。
胸に焼けつくような痛みが走る。
(せめて今だけは俺だけを感じ、満たしてやりたい)
お前がずっと欲していたものを有り余るほどに与えたい。
謙信「駄目だ、声を我慢するな。聞かせてくれ。もうずっとお前の声を聞いていない。
俺だけが聞ける高い囀りを聞きたい。啼いてくれ…俺を惹き寄せる高い声で」
衝動のままに熱くなっている粘膜を穿ち続けた。
舞を苦しませるとわかっていても最奥を突き上げる。
ざらざらした部分に先端をこすりつけ、さらにその奥にある口を突く。
欲の先端がぶつかる度に、電流のような快感がはしる。
快楽より鈍痛を与えているはず。
見れば舞は固く目を閉じて、耐えている。
痛みを与えているのにじっと我慢されては、たまらない。
もっと虐めて泣かせてやりたいとさえ思う。
だが独りよがりの気持ち良さなど、二人で達する瞬間に比べれば足元にも及ばない。
あの高みへ至るためなら、舞に惜しげもない快楽を…。
「ああ、あっ、ん、あっ、謙信様!
い、く、あぁ!いっちゃう」
謙信「く、舞!」
ひとつに溶け合いたいと願うのに、身体の一部しか繋げることはできない。
愛しくて狂いそうだ。