第74章 ひとつになりたい(R-18)
互いを欲し、子ができたらと望んでいるのに、子ができぬよう抱くのはもう限界だった。
暗い部屋で子供達に気付かれぬよう、秘めやかに愛し合う日々。
舞が達して蠢く胎内に、何度吐き出そうと思ったか。
隣でやすらかに眠る舞を、犯すように抱き、許可を得ることなくナカに放ち、蜜口から愛液と己の精が零れる様を見たいと手を伸ばしては何度もやめた。
そんな日が一日や二日なんてものではない。
思うように抱けず限界にきていた俺は、毎日のように危うく、暴力的な欲望と戦っていた。
産婆が居ないと聞いた時、己の欲望は舞に死の危険をもたらすと気づき、戒めを自分に施した。
身体を合わせることができなくとも、心の繋がりと言葉の触れ合いが俺達を繋いでくれた。
(きっとそれが無ければ、舞と身体だけでもつなげようと焦り、欲望に負けていただろう)
組み敷いた舞に、この上ない愛情を感じる。
共に居るだけで幸せを生み出す至極の存在。
全部溶けて混ざりあい、一つになりたい
舞の全てが俺のものになり、俺の全ては舞のものになってしまえばいい…
天地がひっくり返ってもそんなことはできないとわかっているが、
溶けてしまいたい。