• テキストサイズ

☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第72章 おまけ



「それではまた……。越後の皆にもよろしくお伝えください」

佐助「わかった。謙信様達も心配していると思うからとんぼ返りするよ」

「またね、佐助君。時々会いに来てね?」

佐助「そんな寂しそうな顔しないで。またすぐ来るから」


兼続さんは、私達を見て不機嫌そうに眉をしかめた。


兼続「謙信様の想い人に横恋慕する気か、佐助」

「横恋慕っ?!ちがいますよっ」


慌てて否定する。


佐助「友人です。謙信様に誤解されたら斬られますので、今の発言は撤回してください」

「佐助君とは友達です。それに謙信様の想い人が私なんてありえないですし」

佐助「え?」

兼続「?」

「私みたいな五月蠅くて、落ち着かない女なんて、謙信様が好きになるわけないじゃないですか。謙信様に失礼ですよ、ふふ」

佐助「あんなにわかりやすく好意を示されて気づいていないのか?」

兼続「……謙信様は何故このような鈍感女を…」


何かぼそぼそ呟かれたけどよく聞こえなかった。


「さ、変な誤解していないで気をつけて帰ってください。
 それじゃあ、安土の皆も心配していると思うのでこれで」


二人にお辞儀して背を向ける。
晴れ着の裾を持ち上げ、汚さないようにソロソロと歩いていると…


兼続「……おい」


突然肩を叩かれた。


「ひゃっ!?だ、駄目じゃないですか。もう門から見える場所なのに!」

兼続「荷物を増やして悪いが、これをやる」


凄く重い紙包みを渡された。


「昨日お年玉をもらいましたが…?」

兼続「いいから黙って受け取れ」

「ありがとう、ございます」


兼続さんは佐助君と合流して去っていった。


(お、重い~)


荷物が増えて歩きにくいこと、この上ない。

でもすぐに門番の人がよろよろ歩く私に気が付き、駆け寄ってきてくれた。


門番1「舞様っ、いったいどちらへ行っていたのですか!?
 誘拐したという文が届いて城は大騒ぎですよ」

「申し訳ありません。色々と、あちこち行ってきました」

門番2「とにかく秀吉様にお知らせをしてきますっ」

「お、お願いします」


すぐに垂れ目を吊り上げた秀吉さんが走ってくるだろう。

そんな想像をしながら、でもそんな普通な日常が一番だな。とホッと息を吐いた。


/ 1735ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp