第72章 おまけ
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(姫目線)
佐助「越後に着いたよ舞さん」
「う………佐助君、Gが凄かった…」
とにかく今日中に春日山城に行かなくてはいけないと馬で出発したけれど、途中で雪深くなり徒歩になった。
まさかこんなことになるとは思っていなかった私は、宴から抜け出した格好のままでは歩くこともままならず、佐助君に担がれることになった。
雪を避けるために木から木へと渡り歩く佐助君は忍者そのもので凄かったけど……
「気持ち悪い……」
地面に足をつけてもフワフワ揺れていて、たまらずしゃがみ込んだ。
晴れ着の裾が地面についてしまうけど、汚れるのを気にする余裕もない。
佐助「こうなるってわかっていたんだけど急がないといけなくて…ごめん」
「ん、仕方ないよ。そういえば謙信様に会いにいかなきゃ、だね。
今、何時頃?」
春日山城下の方角を見ると家の灯りは落ちている。
時々吹く風がサラサラの雪を巻き上げて頬に降ってくる。
佐助「23時くらいかな」
「っ、あと1時間で終わっちゃうね。行こう」
担がれるのはもうたくさんだったので、よろよろと自分の足で歩く。
やっとの思いで門前まで来ると、誰かが迎えに来ていた。