第72章 おまけ
政宗「そのまま信長様の隣でひっくり返るなよ?」
信長「ひっくり返ったら俺の褥に運んでやる」
「ゔっ!?だ、大丈夫ですっ!あ、ほら、鐘の音が聞こえてきましたよ!」
舞の言葉に一同口を閉ざし、耳を傾ける。
ごーん
という音が、間隔をあけて聞こえてくる。
「鐘の音が違うね」
秀吉「ああ、寺がいくつかあるからな…」
鐘の音を聞きながら舞は渡されたお茶を飲んだ。
年末恒例の特番を片手間に見ながら、友達と電話したり、家族としょうもない話をしていた去年を思う。
突然戦国時代に飛ばされて戸惑ったけど……
個性がありすぎる面々に囲まれて鐘の音を聞いていると、寂しさはない。
(あまり寂しいと思わないのは皆のおかげだなぁ)
星の輝きに、鐘の音(ね)の違いに風情を感じ、楽しんでいられるのは一人じゃないせいだ。
「私も信長様に拾ってもらって良かったと思います。
皆に出会えて良かったよ……皆、大好き」
『大好き』発言に皆が目を丸くした数秒後に、舞の身体はコテンと信長に寄りかかった。