第72章 おまけ
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光秀「………やはりこうなったか」
城中を駆けまわっていた姿が見えなくなり、皆が心配し始めた頃、光秀は舞の自室を訪れた。
声をかけても返事がなかったが、確実に気配はした。
光秀が戸を開けると、そこには寒そうに身を縮めて眠る舞が居た。
光秀「朝から働きすぎだ、馬鹿娘。
大方疲れていたところを満腹にさせられ、眠くなったのだろう?」
光秀は枕と掛け布団を出してきた。
腕枕をしている頭に枕をあてがい、掛布団をかけてやる。
光秀「夜の宴まで寝ていろ。迎えに来てやる」
温かくなった舞は丸めていた身体を伸ばし、スヤスヤと眠った。
光秀は柔らかい頬を指の背でなぞり、ふっと笑った。
光秀「俺にはお世話になりました、と言ってくれないのか?
待っていたのに、つれないやつだな」
「うーん、うーん、苦しい……もう食べられない」
光秀「わかったから、大人しく寝ろ」
「うーん…」