第72章 おまけ
家康「……(三成のやつ、やたらと積極的だな)」
秀吉「……(変態発言だが、三成が言うとそう聞こえないのはなんでだ?)」
「じゃあ私、まだ掃除があるから行くね。
今年ももうすぐ終わりだね。お世話になりました」
家康「夜の宴で会うんだけど」
「宴でバタバタしてると言いそびれそうだから、今のうちに言っておこうと思って。
来年もよろしくね」
秀吉「ああ、よろしくな。俺の方こそ今年は世話になった」
秀吉が頭を撫でると舞がフニャっと笑った。
「秀吉さんからマイナスイオンが出てる~。癒されるなぁ」
家康「何が出てるって?」
「癒しの力っていうか、そんな感じ」
家康が顔をしかめ舞の頭を撫でる。
「……?」
家康「俺からは出てないの、なんとかいおんってやつ」
「あ…ふふ、出てるよ。ありがとう家康」
家康「別に、ちょっと試してみたかっただけ」
「ふふ、そっかー」
三成「では僭越ながら、私も」
エンジェルスマイルをふりまき、三成が舞の頭に触れた。
「えへへ、三成君って癒しの塊だよね。わぁ、凄く癒される♪」
家康「……(なんで三成相手に一番可愛く笑うんだよ)」
秀吉「……(軍配は三成にあがったな)」
「あ、そうだ、行かなきゃいけないんだった。
皆、また夜にね」
舞は水桶を持って歩いて行った。
三成「手伝って差し上げたいですが」
家康「お前が行くと舞の仕事が増える。
余計なこと言ってないで目の前の仕事に集中しろ」
秀吉「家康の言う通りだな。俺達は今日中にこの仕事を終わらせなきゃならない。
さっさと終わらせて舞の手伝いに行こう」
家康「俺は行きませんよ」
素っ気ない口調で断りを入れた家康だが、手元で報告書をめくる速さが格段に上がった。
三成がそれをみて目を輝かせる。
三成「家康様を見習って私も歩きながら…」
秀吉・家康「「駄目だ」」
三成「?」
舞を気にしつつ、三人は広間へと足を向けた。