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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第4章 看病二日目 効果のない線引


(謙信目線)


朝の件があったせいか、舞とは昼餉の時刻までは会話と言う会話もなく過ごした。


佐助「謙信様、機嫌が悪いように感じるのですが気のせいでしょうか」

謙信「誰の機嫌が悪いだと…?」


機嫌が悪くなるようなことは何もなかったのだから、そんなことあるはずがない。
赤い顔をした佐助を睨みつけてやる。


佐助「眼鏡をしていなくても謙信様の方からビシビシと不機嫌オーラが漂ってくるんです」

謙信「おーらが何かわからんが、不機嫌ではない」

佐助「もうその声と口調が不機嫌です」


警告を発した後から舞が口を利かず、笑いもしなくなった。
近くにくることもなく土間で何かしている。

距離をおくことに成功したというのに、なぜこうも心が晴れないのだ。

晴れぬ心を佐助に逆なでされたせいで余計にも苛々してくる。


謙信「大人しくしないとその口、縫い付けるぞ」

佐助「それは困ります」


さして怯えもせず、佐助はまた目を閉じた。
高熱のせいで体力を奪われているのだろう。目を覚ましている時間が極端に短い。

本当に治るのだろうかと眺めていると、


「謙信様、お昼御飯の時間ですよ!」


間近で能天気な声がして振りあおぐ。
舞はお湯が入った鍋を下げると、土間から持ってきた鍋をかけた。


「佐助君は寝ちゃったんですね。さっきまで起きていたのに、残念」


肩を落とす仕草、口調はいつもと変わらないままだ。


何も変わらないことに俺のほうが動揺している。


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