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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第71章 謙信様との逢瀬


謙信「あの時の舞はいつも以上に綺麗だった。飾り立てなくとも愛らしいがな?」


不意に向けられた二色の瞳が、日差しを受けて透き通った輝きを放った。


「っ」


お茶を吹き出しそうになった。

手拭で口を押さえて『違う』と首を振ると、謙信様が不思議そうに首を傾げた。


「綺麗だったなって言ったのは景色のことです!雪景色!」

謙信「俺は景色よりも舞の方が美しかったと記憶しているが?」

「わ、わっ、こんなとこでそんな……」


近くに座っていた年配のご夫婦に聞かれてしまったらしく、『あら、いいわねぇ』なんて微笑まれた。


謙信「あの時も言っただろう?誰の目にも触れさせたくないほど綺麗だと。
 今もその気持ちは変わらない」

「わ、わかりましたから、も、もう良いです」


手拭で真っ赤になった顔を隠すと、謙信様が笑う気配がした。

手拭の端をちょいちょいと引っ張られて顔をあげると、すぐ間近に端正な顔が迫り今度はのけ反った。


(い、今!!キスされそうな距離だった!)


謙信「後ろにひっくり返るなよ。頭を打ち付けては大変だ」

「謙信様が急に覗き込むからです!」

謙信「何か言ったか?」

「……いいえ」


頭から湯気が出てるんじゃないかってくらい首から上が熱い。

何をしても、何をされても適わない。


(惚れた弱みだなぁ。ずるい、謙信様)


甘いため息を吐き、これ以上人前でイチャつかれてはたまらないと、警戒しながら最後のお団子を口に入れた。


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