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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第71章 謙信様との逢瀬


長椅子に並んで腰かけている私達は、少し意識すれば身体に触れられる。

謙信様の方に少しだけ身体を寄せてお団子を食べる私を、謙信様は甘い笑みを浮かべてみつめてくれる。

見惚れる程美しい人に見つめられ、胸がいっぱいだ。


(ああ、幸せだなぁ)


視線を合わせては笑い合い、触れているような、いないようなもどかしさが胸をくすぐった。

謙信様となら特別何かしなくても、一緒にいて、見つめ合っているだけで幸せだ。


「蝦夷でこういう暮らしをしていると、改めて結婚式を挙げておいて良かったなと思います」

謙信「そうだな…。城に戻るのでなければ再度祝言を挙げる必要はない。あの時挙げておいて良かった。
 白無垢姿を見られないのは残念だがな」


残念そうに息を吐き、謙信様がお茶を一口飲んだ。

湯呑を持ち上げる仕草は優雅で、湯呑に口をつける様子も、横顔も綺麗だ。

お茶を飲みこんで喉ぼとけが動いた。そんな些細なことさえ格好良い。


謙信「どうした、そんなにじっと見て」


旦那さんに見惚れていましたなんて言えない。


「な、なんでもないです!
 でも不思議ですよね。あの結婚式は1年半くらい前の話なのに、時の流れではずっと先の500年後の出来事なんですもの」


記念写真を撮るために外に出た時の雪景色が忘れられない。


「私達が生きている先に、あの美しい雪景色があるんですよね。
 なんだか信じられません。綺麗だったな……」


私と謙信様は結婚式の写真を小さく縮小して、いつも持ち歩いている。

写真を入れている胸元に手をあてると、あの時の嬉しかった気持ちが蘇った。


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