第71章 謙信様との逢瀬
謙信「夜お前に触れられない乾きを、鍛錬で誤魔化そうとしたが無駄だった。
この乾きは舞とともに居なければ治らないようだ」
(やっぱり、信長様の言う通りだった)
鍛錬がエスカレートしたのは私に触れられないから、だったみたいだ。
「ふふ、では逢瀬に行きましょう?
春日山城下で逢瀬は叶いませんでしたが、謙信様と一緒に歩けるならどこでも構わないんです。
お待ちしていますので、仕度をしてきてください」
謙信「ああ、すぐに戻る」
謙信様が部屋に戻っていったのを確認し、外に出た。
「あれ、誰も居ない……」
信長様に逢瀬に行くことになったって教えようと思ったのに。
佐助君と蘭丸君も一瞬の隙をついて姿を消したに違いない。
「謙信様ったら、皆に迷惑をかけて仕方のない人ですね」
理由が理由だからおかしくてたまらなかった。