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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第68章 たとえ離れても…


謙信「それでも俺は舞と離れない。たとえ離されようと必ず探し出す」


握られた手が痛い。


「さが、す……?」

謙信「絶対だ。お前を探し出してみせる」


二色の瞳が強い意志を放ち色濃くなった。


時の神に抗い、なんの手立てがなくとも『探す』と力強く宣言してくれた。
多分無茶苦茶な発想だと思う…でも勇気をもらった。


(そうだ。私は守る力はないけど、探す力があるじゃない)


願えばワームホールを開く力
会いたいと願った人の場所へ行ける力


(探す…そうか。居なくなっただけで死んでいないなら、探せばいいじゃない)


時の神に抗って『探す』力は私の中にある。

未知の力だし、ワームホール自体は時の神の力だ。
うまくいかないかもしれないけど、小さな希望の光だ。

謙信様の言葉が気づかせてくれた。


「そ、うですね…。私も、そうします。
 皆が連れ去られてしまったなら、時を越えていったとしても必ず探しに行きます。
 だから時の神に攫われ離れてしまったら、皆さん、私を待っていてください」


居間に集まっていた面々が目を瞬かせた。

子供達を除けば、この場で一番非力な私が『任せてください』なんて図々しいけど、私にしかできないことだ。

謙信様は小さく笑った。


謙信「よく言った。だが俺も舞を探す。一人で無理をするなよ?」

「ふふ、はい」

謙信「舞が探しやすいよう、派手に動き回ることする。願わくば俺が一番先に再会したいものだがな」


愛おしげにみつめてくる謙信様に、申し訳なくなる。
探しに行く順番は謙信様が一番目じゃない。


「申し訳ありませんが謙信様は三番目です。
 結鈴と龍輝の次、です」


謙信様がふっと笑い、頷いた。
ここまでのやりとりで、辛そうだった表情は大分和らいだ。



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