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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第68章 たとえ離れても…


――――
――

「お、重い。龍輝、おっきくなった…?」


海でたくさん遊び、ご飯をいっぱい食べた二人はその後も木登りに夢中になり、

大満足して………寝てしまった。

仕方なく謙信様が結鈴と荷物を、私は龍輝をおんぶして帰途についた。

去年の秋、ここにタイムスリップしてきた時は20キロ前後だったはずだけど、今はあの頃より確実に重い。


(龍輝達も6歳半か…)


成長を嬉しく思うけど、とにかく重い。
寝ているものだからクッタリとしていて猶更重たい気がしてくる。


(こ、腰が…)


昨夜執拗に愛された身体が悲鳴を上げている。
ヨタヨタと力なく歩く私を謙信様が心配そうに見ている。


謙信「無理をするな。お前が転んでは事だ。佐助」

佐助「はい」


佐助君は木立の影から姿を現した。

すぐそこなのに今の今まで全く気配がしなかったのは、自称『凄い忍者』だからなのかな。


佐助「舞さん、龍輝君は俺がおんぶするよ」

「ありがとう。ごめんね、迷惑をかけちゃって」

佐助「いや、いいよ。楽しそうに遊んでいる舞さん達を見て和ませてもらったし」


佐助君は龍輝をおんぶしてくれて、私は空になったお弁当箱と水筒だけという、申し訳ない身軽さになった。

不甲斐ないと思って歩いていると、少し離れた草むらから小さな啼き声が聞こえた。


「ちょっと待ってください。今、草むらから何か……」

謙信「舞?」


後ろから謙信様と佐助君もついてきた。

腰より上まで伸びた草をかき分けて見つけたのは…小さな猫だった。


「怪我をしてる…」


キジトラの子猫は首の後ろから血を流している。
まだ目も開いていない赤ちゃん猫だ。


佐助「カラスか何かに攫われてきたのかもしれないな」


(手当をしてあげたい)


謙信様を見上げると、仕方ないというように小さく頷いた。


「おいで…。手当てしてあげる」


予備にタオルを持ち歩いていたので、その上に手拭を広げて猫を乗せ、くるんであげた。




その猫はその後里山に住みつき、結鈴に『きゅーすけ』と名付けられて可愛がられることになる……


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