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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第66章 気づかいの理由は


そんな日が続き、流石に私も不審に思って佐助君に聞いてみた。


佐助「それはちょっと言いづらい理由があるんだ。その…ごめん」


佐助君が忍術を披露して一瞬で雲隠れしてしまった。


龍輝「あ!佐助君が消えた!?さすがだね、ママ!」

「うん、そうだね…」


(私には言いにくいこと?)


なんだろう。
とにかく皆、私が『疲れている』と思ってるのは確かだ。

はっと顔に手をやる。


(疲れてないのに疲れているように見られるってことは、もしかして年齢が肌にあらわれてきたのかな)


「そっか。だから佐助君は言いづらいって言ったんだ」


ここ数日の疑問がやっとわかった。



――――
――


次の日、佐助君に顔を合わせた時に張り切って宣言した。


「佐助君、私頑張ってお肌のお手入れするよ!
 変な気遣いさせちゃってごめんね」


佐助君は無表情のまま動きを止めた。


(あれ、違ったのかな?)


「疲れていないのにそう見えるってことは歳なのかなって。
 寒くて、乾燥している季節だから余計かもって…。違った?」


佐助君は納得したみたいで、眼鏡の奥でふと表情を和らげた。


佐助「そういう意味の『言いづらさ』じゃない。ごめん、変な誤解させて。
 舞さんは相変わらず可愛いし、肌だってとても綺麗だ」

「あ、ありがとう」


佐助君の『綺麗だ』という言葉に照れて俯いたけど、問題はそのあとだった。




佐助「その…本当に疲れてないの?謙信様の相手をその…」





佐助君が気まずそうに目を逸らし、言葉を濁した。


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