• テキストサイズ

☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第63章 上司のために佐助大活躍!


夜になると結鈴と龍輝が一緒に居るので、二人きりとはいかない。
日中も忙しく働いているので二人きりになるのは難しかった。

『二人で居る』という時間がいかに貴重か、お互い嫌という程わかっていた。

舞の腰に回していた謙信の腕に力がこもった。


謙信「ああ、お前の望みは、俺の望みだ。喜んで叶えてやろう」


謙信は舞の身体を横抱きにすると、早々に自室に向かった。


ガラ


謙信「……!?」

「わあ!!謙信様、サプライズだったんですね!!!!
 凄い!綺麗!ありがとうございます、謙信様っ!」


抱かれた状態で舞が部屋を見回し、歓声をあげた。

謙信達が寝ている部屋はクリスマス一色になっていた。

常緑樹で作られた大きなクリスマスリースには、水色の布で大きなリボンが結ばれていた。
リースを中心に、紙テープのようなもので部屋の四方を彩りよく飾ってある。


「ふふ、小さいクリスマスツリーも作ってくれたんですね。可愛い…。
 あれ?これって信玄様が『大切に育てようと思うんだ』って言っていた、盆栽じゃ…」


謙信が見てみると、確かに信玄が市で見つけて買ってきた盆栽だった。

それに布の切れ端をリボン状に結び、雪に見立てた白い綿が絡められている。


謙信「……ふ、佐助のやつ」


おそらく謙信がクリスマスを失念していたことに気が付き、急ぎ用意して、主人の鬱憤を晴らすために信玄の盆栽を持ち込んだのだろう。

小さく呟いた声に舞は気づかず、この部屋を用意したのは謙信だと思いこんでいる。


「やろうと思えばクリスマスっぽくできるものですね。
 あ、この水色のリボン、謙信様の香りがします!
 私がプレゼントしたアロマオイルをふくませてくれたんですね!うれしいです。
 今年は忙しくて忘れていたけど、来年はクリスマスパーティーを開きたいな…。ね?謙信様っ?」


心から喜んでいる舞に、真実を言うのはためらわれた。


謙信「そうだな。来年はもっと盛大にこの部屋を飾ってやる。
 お前の喜ぶ顔を想いながら……」


身をかがめ、舞に触れ合うだけの口づけを贈った。

愛しい者の唇に触れながら、謙信は表情のない部下に心から感謝した。


/ 1735ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp