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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第60章 姫の想い人


「光秀さんに何の感情もないと言えば、
 ……う、そです、ね…。
 謙信様に言われて気が付きました」


自分で驚き、言葉がたどたどしくなった。


謙信「っ」


端正な顔が歪んだ。


「でも…

謙信「言うなっ!!」


謙信様が声を荒げたのを聞いたのは2度目だった。

現代で再会して、頬を叩いてきた時よりも激しい声だった。


「っ」


ビクッと身体が跳ね、強張った。

怒る理由は聞かなくてもわかる。それもこれも私が悪い。


(謙信様に言わないと)


自分の気持ちに気付いていなくてごめんなさいって。
言われて初めて気づいた。

安土に居た頃、私はきっと光秀さんを…………


(でも…)


私が選んだのは謙信様だ。
唯一無二の人なんだって伝えないと。


恐るおそる謙信様と目を合わせた。
真っ青な顔をして、感情が渦巻いている。

怒るというよりも絶望、焦燥……悲哀。


「ご、ごめんなさい!謙信様、聞いて、ください」

謙信「っ、聞きたくない。お前を失うくらいならっ」

「んっ」


深い口づけをされ、同時に謙信様の片手が喉元を締めあげてきた。


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