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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第58章 時の神


信玄様にちょっかいを出された時にさえ見せなかった表情だ。

何か言おうとして、でも言い訳めいている気がして口を開けなかった。
なんだかドキドキしたのも、見惚れてしまったのも…事実だ。


(ちょっと意識しただけ…)


光秀さんが私を想ってくれたのは過去のことなのに。
妊娠していると知った時点で、私への想いは整理がついているはず。


(光秀さんは大人だもの。私のことなんて遠の昔に割り切ってるはず)


私が変に意識してしまっただけで、光秀さんは単に懐かしんでくれただけだ。


「すみません、謙信様。久しぶりに光秀さんに会ったら、改めて男前だなぁと見惚れていただけです」


謙信様のこめかみがピクリと動いた。


謙信「なに…?」


不穏な圧が増した謙信様は、出会った頃のように怖いと感じてしまった。


(怖い謙信様、久しぶりだ……)


「あの、特に意味はないですよ?信長様も、蘭丸君も人目を惹く容姿をしているじゃないですか。それと同じで…」

謙信「俺の前で他所(よそ)の男を褒めるとは良い度胸だ。他に目をやる余裕があるのなら、俺だけを見ていろ」

「近くにいるのに謙信様だけ見てるなんて無理ですよ!
 でも見惚れたのは悪かったなと思います。ごめんなさい、謙信様」

謙信「先ほどから見ていれば、舞と安土の連中は想像していたよりも距離が近い。
 世話になった連中だ。口をきくなとは言わんが、あまり見せつけてくれるな」


闇夜に謙信様の影が動き、首元に吐息を感じた。


じゅっ!


喉仏の柔らかい皮膚を強く吸われて、見なくてもキスマークがついたとわかった。


「謙信様!?あっ」


謙信様は次に、後ろ髪をかき上げてうなじを露わにするとそこにもキスマークをつけた。

うなじに吸い付き、痕がついたであろう場所を謙信様の舌がペロペロと舐めてくる。


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