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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第57章 双子



光秀「結鈴、耳を塞いでいろ。しかし目はしっかり開けておけ。
 俺がお前の母を救うか…殺すか、しかと見届けろ」


結鈴は丸い目を俺に向けてパチパチと瞬きをした。

言われた通り両手で耳を塞ぎ、真剣な顔で言った。


結鈴「大丈夫、みつひでさんは絶対ママを助けられるよ」

光秀「ああ、そうなら良いな」


口の端を持ち上げ、前を見据えた。



ヒュウ



風が吹き、刹那的に結鈴を見た。

舞の方を見ている結鈴は視線に気づいていない。


光秀「……」


視線を元に戻す。


耳は風の音に、肌は風の動きに集中させる。

合わせた照準の先で、舞の手が子供の手を離そうとしている。



風が止んだ。




引き金を引くと乾いた銃声が響き渡り、銃口から飛び出た弾がやや狙いをずらして飛んでいく。

標的までの距離が長すぎた。


(急所を外したな)


弾が届く前にそう確信する。

弾は舞を掠めるようにして、クマの眉間ではなく首に命中した。
嗅ぎなれた硝煙の匂いに苦さが混じる。

狙いは外れたが舞は煙玉を使って逃げだした。


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