• テキストサイズ

☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第56章 窮地を救うは誰の手か



はぁはぁと息が乱れる。

心がめちゃくちゃになって、怖くて、どうにもならないくらい混乱している。



ガサガサと草が揺れる音がした。



自分がたてた音じゃない。



(まさか…)


敏感になった耳が、その音が後ろからだと訴えている。



走りながら振り返ると黒い毛を血で汚したクマが、後ろから追いかけくるのが見えた。

手負いになったクマは我を失い、獰猛さをむき出しにしている。

よだれを垂らし、痛みを与えたのはお前だと言わんばかりに、狙いを定め走ってくる。


ドクン


心臓が恐怖で縮みあがった。


「やっ!?」


血が凍りつくとはまさにこのことで、身体が一気に冷たくなり、動きが鈍くなった。
逃げなきゃいけないのに恐怖で身体が動かない。

大きな巨体にも関わらず、近づいてくる速さが尋常じゃないくらいに速い。


「こ、こないで!」


私はかんしゃく玉を地面に投げつけた。


/ 1735ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp