第3章 社会科見学は絶対しない!
「瑠璃さん、今日もいい天気ですね
それなのに、可愛いあなたはなぜそんなに浮かない顔をしているのですか?」
いつものように、金髪が部屋に来た。
こいつは何度言っても、しつこく来る。
お兄ちゃんの仲間だから、下手に面会拒絶も出せない。
「あなたが来るからです。」
そう一言吐き捨ててもめげない。
そのメンタルはどこから来るのか…。
「子猫ちゃんが、元気にお店に遊びに来れるようになるまで欠かさないよ。」
だめだ、ため息しか出ない。
「なんで、そんなに人を拒絶するんだい?」
確信をつかれたような気がした。
その時私の頭に言葉がよぎる
やーい、バケモノこっち来るな
白髪なんておばあちゃんじゃねぇかー
頭を降って追い出し
「うるさい、またほんぶつけられたいの。」
そう睨むと、真面目な顔した金髪に言われた。
「そうやって、1人の殻にこもるのは良くないよ。」
そう伝えて、またくるねと出ていった。
1人の殻なんて、篭ってない。
そう言い聞かせるために私は本の世界に移った。
その時読んでたのは、シェイクスピア。
悲劇の中に部類するジュリアス・シーザーというもの。
「ブルータス…お前もか」
そのセリフだけが、印象に残ってる。
その日は、金髪の言葉がよぎりながらもお兄ちゃんが来て、話したら忘れた。