• テキストサイズ

【ハイキュー短編】同じ季節を何度でも【黒尾鉄朗】

第1章 冬至


「………カボチャ、あんまり好きじゃないです」



「そうなの?」



「ハイ」



「今まで気づかなかったな~」



「ちなみに食卓には一度も出てきたことはありません」



「そういえば、そうか?

でも、ほら。貸して」





黒尾さんにペンを取り上げられて。


そして私の「柚子を買う!」の文字の下に

「南瓜も」って。





「サラッと書くカボチャが漢字って、

そういう感じなんですね」



「"南"の"瓜"でカボチャ、西の瓜はスイカ、

冬瓜は………

あれは冬か」



「いや、漢字じゃなくて(笑)」



「え?」



「いや、黒尾さんってカボチャを漢字で書くんですねってことです!」



「どういうこと???」





わけわからないという感じの黒尾さん。





「別にいいです!

ささっ!早くお風呂に入りましょう!」



「え、いいの?」



「ん?」





………あ、

私さっきまで怒ってたんだった。



忘れてた。




けど





「何のことですか?入らないなら先に入りますよ?」





もうそのまま忘れたフリを。


突然ご機嫌の私にまたまた不思議そうな黒尾さん。




でも、なんだか

手帳に黒尾さんの字が当たり前に加わったのが



どうしようもなく嬉しかった。





--- end ---

2020.12.21 冬至(に書いたものです!)

2021.7.12
/ 31ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp